ドラネコ君は昨年,このページで読手をして下さっている南沢さんから競技かるたを教わっている小学生たちが,文字を覚えたばかりの一年生に四人一首を楽しませている様子を見学させていただき,衝撃を受けました。
「この子たちは小学生にして,百人一首で見事なおもてなしをしている!」
 いつもは必死になって競技かるたの練習に取り組む五年生の女の子二人が,それぞれ南沢さん手作りの競技台を真ん中に置き,向かい側に1年生の女の子を座らせ,場に置かれた四枚の札の配置を,手を取って教えていた。
四年生二人:「秋の,春す,あし,たご,秋の,春す……」
一年生二人:(場にある四枚の札の位置を確認しながら)
「秋の,春す,あし,たご,秋の,春す……」
四年生A:「この中の読まれた札を,私より速く取ってね。」
四年生B:「今日はお姉ちゃんたちから一枚でも札が取れたら,君たちの勝ちだから頑張ってね。」
四年生A:「どれが何の札か分からなくなったらすぐに言ってね,教えてあげるから。」
一年生二人:「よぉし,絶対取るゾォ!!!」
そんなやり取りに続き,四人一首のゲームが始まった。札は五年生の女の子,Oさんが読み上げていく。
 三十分くらいして,一人の一年生がやっと一枚,札を取り,大はしゃぎしている。それを目の当たりにしたもう一人の一年生は,焦りからか悔しさからか,半泣き状態に。
 二人の四年生と読み手の五年生が,泣いている一年生を励ましている。
「頑張れ!ここであきらめたらずっと悔しいまんまだよ!」
札を取れていない一年生は,お姉さんたちに励まされながら,札を追いかけ,ついに最後,札を取ることができました。その瞬間,その場のみんなが拍手し,とてもうれしそうにしていました。
 その時泣きながら札を追いかけていた女の子は,現在小学校二年生になり,百種の和歌全ての,下の句のみが書かれた取り札を見て,上の句を正確に答えられるまでになったそうです。
 ドラネコ君は密かに「小学生に負けてらんない!!」と自分を叱咤激励しました。
 そんなわけで,とにかくドラネコはやります。できることを精一杯やって,さまざまな方々に,百人一首の奥深さや楽しさを,全力で伝えてまいります。応援,そしてお力添えいただけましたら幸いです。