ドラネコ君は,バリアフリーかるたを,どんな人にとっても楽しめるゲームであってほしいと願っています。
 今まであった道具やルール,形にとらわれず,一人でも多くの方々に,その人に合った道具や形,ルールを探しながら楽しんでほしいのです。
 障害のある人の多くは,既存の枠に自分を当てはめることが難しいため,障害のない人たちが楽しむ姿を感じながら,うらやましいと,心のどこかで思い続けてきました。
 ドラネコ君もその一人でしたが,百星かるた会を立ち上げ,今まで育ててこられた,目の見えているお母様とその全盲のお嬢様親子の思いや,それを支える皆様の試行錯誤の取り組みに出会い,バリアフリーかるたの未来のために,できることを精一杯やっていこうという境地に至りました。
 そしてそのあゆみを見守る中で,真のバリアフリーの実現には,ゲームやルールが一人一人に寄り添うことが必要不可欠であることを痛感しました。
 しばらくしてバリアフリーかるたが少しずつ盛り上がる中で,必然的に,
「いつか全国の愛好家で集まって,大会を開きたい」
という声が挙がり始めました。その過程で,
「大会をするのであれば,使う札やルールを決める必要があるのではないか」
という意見が多数出てきました。そして,大会に使う札やルールをどうすべきかという議論をする中で,さまざまなすれ違いが生まれました。
 しかし,ドラネコ君は,そのすれ違いを,深刻なこととは捉えていません。何かを成し遂げる時,みんなで何かを作っていく時には,ある程度のすれ違いは必須条件と考えているからです。
 ただ,すれ違った時に,お互いが自分の意見を心の中に押し込めて,それを表に出さずにモンモンとし続けるような状況になることだけは,避けなければなりません。ということでドラネコ君は,このページに来さえすれば,いつでもドラネコ君の思いや考えがわかるよう,ここにドラネコポリシーを宣言することにしました。

 なぁんて書いてみて,宣言文を書くのは意外と大変なことに気づきました。とりあえず,いつの日にか,みんなで実現させたいバリアフリーかるたの全国大会の道具屋ルールについてのドラネコ君の考えを書いておきます。
 とりあえず今は,道具もルールも,愛好家一人ひとりが自分に合ったものを工夫すればよいと思います。そして,愛好家どうしで対戦する機会を愛好家自身が作り,(もちろんドラネコ君や百星の会も全面的にバックアップします)対戦車が話し合いながらその日の対戦の形を決めて楽しみ,そのたくさんの積み重ねから,道具屋ルールの形が少しずつ定まっていくことが望ましいと思います。
 視覚に障害のない人たちが行っている百人一首にも,さまざまな形があります。北海道の下の句かるた,光琳かるたを使った競技かるた,もちろん一般的な百人一首,五色百人一首に平成百人一首……。
 それぞれの愛好家が,それぞれの世界を広めていくプロセスを通じて,結果として百人一首文化が大きな柱として立ち上がってきているのではないかと,ドラネコ君は想像しています。もちろんその先に,今の形の競技かるたが成立していることは否めませんが,バリアフリーかるたは,今はさまざまな方々が自分のやりやすい方法を模索しながら,世の中に広めていきたい,そんな段階だと考えています。
 従って,このホームページでは,今までさまざまな場所で提案され,工夫されてきた札やルールを全て尊重し,できれば細かく解説していきます。
 その一つの方法としてのドラネコ流は,追求し続けるのですが……。
 愛好家が一人でも増やせるよう,鋭意努力してまいります。どうかみなさんのお力を,それぞれの立場からできる範囲で,できる形で,お貸しいただけますと幸いです。

ドラネコ