「百星の会」では、足掛け6年間、視覚障がい者に使いやすい百人一首の道具を模索してきましたが、出来上がった用具は,「お正月のかるた遊び」の域を出ることは出来ませんでした。
 でも、本当に視覚障がいを持つ人々に伝えたいのは「競技かるた」でした。
それは、
読み上げられた歌を取る「スピード」を競うのみならず、
自陣・敵陣があって、その上に、
さながら戦国時代に、勝つために兵力を配置するかの如き「送りのルール」があって、
スピードのみならず、勝つためには「知力」も要求されるレベルアップしたゲームに
なり、格段に面白くなるからです。
 健常者の中でも、かるた遊びと競技かるたの違いを知らない人はまだ多く、
ましてや、盲学校でほぼかるたを取り上げない視覚障がい者なら、なおさらです。
 そこに、ドラネコさんのアイデアの、マグネット札と台が、完成したのです!
これまでの用具でも、ルールを工夫し、競技かるたっぽくする試みはして来ましたが、
新しい「マグネット百人一首」は、
スピード感とスケール(置ける札の枚数)が違います!
その分ルールも増えるのですが、難しいと匙を投げる人が出るかと思いきや、
一旦、用具に触れながらゆっくり説明を聞き、練習のつもりで一回戦やってみると、
2回戦めからは、ご理解頂き、積極的に参加されます。
 それは、
相手の手が素早く自分の手の下に入り込んだ感触や、
寸でのところで札が指先からすり抜け、取られた悔しさ、
正確に札を捕らえた時の手応えなどなど…
手のひらで感じられるところで、ゲームの進行も分かるからです。
 触れる「勝負の臨場感」を味わってみたいかたは、ぜひお問い合わせください!
 目が見えない人・見えにくい人にも、自信を持って「競技かるた」
の魅力を伝えられる用具がドラネコさんのお陰で出来上がりました!
「百星の会」事務局 関場理華