朝の風景第一章 序章

「目の見えない先生に教師なんて無理です。迷惑なので早く辞めてください。」
 二〇〇三年三月、全盲教師としての一年目を終える時、生徒たちからそんな言葉を浴びせられた。悔しさと、何としても周囲の役に立つ教師になりたいという強い思いを胸に、新たなる私の挑戦が始まった。
 それから十五年、苦悩と試行錯誤の末、自分にできることを常に探し、実現させることに、教師としての活路を見出した。
 今回は数々の試行錯誤の中から、現任校で、私自身が子供たちにとってかけがえのない<朝の風景>になろうと取り組んできた歩みを紹介する。移り変わる景色や人々の心の動きに思いを寄せ、障害者の幸せな社会参加を実現するために大切なことは何か考えていくきっかけとしていただけたら幸いである。
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